2014年7月7日月曜日

【食べ歩きレポート】ベル―ガ(表参道)

土曜の晩、大学の美術部時代からの友人MさんとSちゃんと表参道のキャビア料理専門店 ベルーガで夕食を頂いてきた。表参道を通るたびに気になっていたお店で、今回念願かなって初来店。

ロート・アイアンの細工が施された手摺りが美しい螺旋階段を登り、黒い重厚な扉を開けると、思わず溜息。
表参道にこんな空間があったなんて…!
店内のアール・デコ調の内装の優美なこと。窓から見える表参道の風景が、まるで嵌め込み合成に見えてきそうなぐらいの別世界。


テーブルの上で燦然と輝く金色のお皿と金色のカトラリーたちに気後れしつつ、イラン産の3種類のキャビア食べ比べセットとシェフ特製コース(アミューズ・本日の前菜YOSAKOIキャビア添え・本日のパスタ・肉料理or魚料理・デザート・コーヒー)を注文。

運ばれてきたイラン産の3種類のキャビア食べ比べセットは、それぞれ金色のスプーンの上に盛られていた。
頼んだシャンパンが運ばれて来るのを待ちながら、金のスプーンの上で黒い真珠のように艶やかに輝くキャビアをうっとりと眺める。
ああ、なんという贅沢な時間…!
まだなにも口にしないうちから、私たちはすでに「贅沢」という気分をお腹いっぱい味わっている。


食べ比べセットのキャビアはセブルーガ、アセトラ、ベルーガの3種類。
コース料理の前菜にも国産のYOSAKOIキャビア(その名から察せられる通り、高知県産)というのが添えられていたので、計4種類のキャビアを味わえることに。



スプーンに乗ったキャビアを、一粒一粒噛みしめながら食べ比べてみる。
(これまでたまたまカナッペなどの上にのっかっていたキャビアを口にすることはあっても、積極的に「キャビアを食べよう!」と思って食べる機会はなかったので、なんだか新鮮)
YOSAKOIキャビアは国内で採れた魚卵を店内で加工しているらしく、弾力が強くてプチっと弾ける食感にフレッシュで透明感のある味わい。セブルーガは小粒で軽やかでほんのりブルーチーズの青カビのような香り、アセトラは味わいが濃厚でほんのり香ばしくて磯の香りが強く、大粒のベルーガはマイルドでクセがなく繊細な味わい。
それぞれ色、形、食感、風味、味わいの濃さなんかが違い個性があって食べ比べるのが楽しい。
いずれもフレッシュキャビアばかりなので、そのまま頂いてもよし、たっぷりのサワークリームと一緒にそば粉でできたパンケーキにのせてレモンをきゅっと絞って頂いてもよし……この食べ方がまた美味しい。ワインに合う!

コース料理のメインはホロホロ鳥のロースト(これもお肉がジューシーで美味しかった)だったけど、今日は終始シャンパンで通した。


キャビアとシャンパンの相性の良さには、まったく驚かされた(そしてこのお店のワインリストの中のシャンパンの品揃えの多さにも驚かされた。それだけこの組み合わせを愛する人が多いのだろう)。
もちろん銘柄にもよるのだろうけど、シャンパンはキャビアの生臭みを打ち消しつつ、旨味を引き立て、口の中に残る脂を爽やかに流してくれる。
ちなみに今夜飲んだのはこの2本⬇︎
・フィリポナ・シャンパーニュ ロワイヤル レゼルヴ ブリュット
・シャンパーニュ ピエール・カロ ブラン・ド・ブラン
特に前者のフィリポナは私好み!
蜂蜜や濡れた落ち葉のような馨しい香りに柑橘の皮のようなほのかな苦み…とてもグラマラスで叙情的(なんとなく、秋の曇った午後に紅葉した木々が美しい庭園で物憂げな美女に溜息をつきながら飲んで欲しい)なシャンパーニュ。
キャビアとの相性で言えば、すきっと爽やかで泡立ちの力強い後者の方がより合っているのかもしれないけれど。

食事をしながら、お店の方からキャビアについて色々とお話を伺うことができたのだけど、これがなかなか興味深いものが多くて食事に素敵な花を添えてくれた。
キャビアとなる卵を宿すチョウザメ(※サメの仲間ではないらしい)というのは古代魚の一種で、一億年以上前からほとんど姿を変えずに生きてきた生物学的にも非常に貴重な魚らしい(ちなみに前菜としてスモークされたチョウザメのお肉を頂いたけど美味しかった。古代魚=おいしくないという勝手な先入観があったのでびっくり)。
チョウザメが卵を産むまでには長い長い時間がかかるのだそうで、特に大型で成熟に時間がかかるベルーガは、なんと20年もの歳月を要するのだとか。さらにチョウザメは寿命が長く、(運悪く人間に捕まったりしなければ)数十年、中には百年ぐらい生きる個体も存在するらしい。
しかし、その長命が災いして、長生きする生き物の肉を食べると寿命が延びると信じる人々の間でその肉が珍重され、卵を狙う輩と肉を狙う輩の両方からつけ狙われているという哀れな魚。
乱獲で数が減ったチョウザメを保護するために漁獲量が制限され、天然物のキャビアがますます入手困難になっている昨今では、世界各地で養殖が試みられているそう。
それにしても、まさか日本国内でも養殖が行われているとは…
いつの日か、キャビアがもっともっと身近になる日がくるのだろうか。そうなったら嬉しいと思う反面、いつまでも神秘のベールを纏った食材でいてほしいような気もする。


これまで個人的に世界三大珍味の中では一番影の薄かった(キャビア好きの皆様ごめんなさい)キャビアの魅力に触れることができた、とても面白い食体験だった。
ベルーガでキャビアを堪能した後は、Mさんと二人で表参道を挟んだ向かいのカフェバー モントークでお酒とお茶を飲みながら終電まで話をした。
次は牡蠣を食べに行こうと約束。
楽しみ!












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ベルーガイタリアン / 明治神宮前駅原宿駅表参道駅
夜総合点★★★★ 4.0

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